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ようやく手に入れたログハウス:長く快適に暮らすためのメンテナンスの仕方をお伝えします2025.10.02

ログハウスは天然木に包まれた独特の魅力がありますが、「生きている素材」である木材を最大限に活かし、長く快適に住み続けるためには、ログハウス特有の適切なメンテナンスが欠かせません。適切な手入れを続ければ、築100年を超える耐久性を持つことも可能ですよ。
ここでは、ログハウスオーナーが必ず知っておくべき主要なメンテナンス項目と、住んでからの日常的な手入れの方法を解説します。
1. ログハウス特有の構造維持:セトリングへの対応
ログハウスは、丸太を積み上げて壁を構成するため、建築後数年間で木材の乾燥収縮や自重により壁全体が沈下する現象が起こります。これを「セトリング(Settling)」と呼びます。
- 通しボルトの調整: ログ壁を貫通している通しボルトのナットは、沈下に伴って緩んできます。緩んだまま放置すると建物の歪みにつながるため、竣工後1〜3年程度は定期的にボルトを締め直す作業が必須です。
- 建具周りの確認: 窓やドアの上部には、ログ壁が沈むための「セトリングスペース」という隙間が設けられています。窓やドアの開閉がしづらくなったり、建てつけが悪くなった場合は、このスペースや設置されている調整材をチェックし、自力または専門業者に依頼して調整します。
2. ログ材を保護する:定期的な外壁塗装
木材を雨風、紫外線、腐朽菌、害虫から守るのが外壁塗装の最大の目的です。塗装の劣化は木材の腐食やカビにつながり、大規模な修繕を招くリスクがあります。
- 塗装の頻度: 一般的な目安は、初回が新築から2〜3年後、その後は5年ごとの再塗装が推奨されます。交通量の多い地域や日当たりの強い南面などは劣化が早いため、特に注意が必要です。
- 塗料の選定: 木材の「呼吸」を妨げない浸透タイプ(含浸型)のログ用塗料を選ぶのが基本です。
- DIYの活用: ログハウスの再塗装は、1階の低い部分やウッドデッキなど足場を使わずにできる箇所はDIYで対応可能です。こまめに自分で塗ることで、費用の削減にもつながります。
- ウッドデッキ: 雨や湿気の影響を強く受けるため、外壁よりも短い2〜3年ごとにこまめな再塗装が必要です。
3. 日々を快適に保つ:住み始めてからの日常メンテナンス
ログハウスの寿命を左右するのは、オーナー自身による日々の小さな手入れです。これらの作業は、ログハウスとの暮らしを深める楽しみでもあります。
室内・ログ壁のケア
- 手垢・汚れの除去: ドアやスイッチ周りなど、よく触れる箇所は手の脂で汚れやすいです。普段は乾拭きし、落ちない汚れは湿らせた清潔なタオルで拭き取ります。それでも落ちない場合は、目の細かいサンドペーパー(#1000番以上)で軽く削ります。
- 無垢床の保護: ワックスや塗料を塗っていない無垢材の床は汚れが浸透しやすいです。当社では床面、壁面、天井面も浸透性塗料を塗ることをお勧めしております。そうすることによって年数がたっても汚れが浮き出で来なくなるメットがあります。
- 薪ストーブ・煙突: 薪ストーブを利用している場合、煙突内部の煤やタールが煙道火災の原因になるため、シーズン前に年1回の専門業者による掃除が必須です。
- 雨樋の清掃: ログハウスにかかわらず、落ち葉が詰まるとログ壁の腐食につながります。梅雨や秋雨の前など、定期的に点検し、落ち葉などを取り除いて水はけを良くしておきます。
- シロアリ対策: 木材を多く使うログハウスにとって、シロアリ対策は重要です。3〜5年ごとに専門業者による床下点検を行うこともお勧めします。特に気を付ける点は薪スト-ブ用の薪を直接地面の上に置いてしまうことは絶対に避けなければいけません。
4. 最大のメンテナンスは「住むこと」
ログハウスにとって、手間のかかるメンテナンスを凌駕する最高のケアは、「ログハウスに住むこと」です。人が住んでいれば、毎日の換気や掃除で木材が適切に乾燥され、小さな傷みや異変にもすぐに気づき、早期に対処できます。
ログハウスのメンテナンスは、家を育てる楽しみであり、愛情を注ぐ時間です。手間をかけるほどに愛着が湧き、その耐久性と木の温もりは長く暮らしを支えてくれるでしょう。